集落営農組織づくりによる担い手対策(御杖村農業委員会)

 御杖村農業委員会(菊山祥博会長)では、獣害被害や高齢化などによる担い手不足の解消を目指して、集落営農の組織化を進めている。
 これまで同村では、獣害対策として、金網獣害柵を村内各地に設置するなどして、有害獣の被害から農作物を守り、農業者の生産意欲を衰退させないための活動を精力的におこなってきた。
 しかし、農業委員から「有害獣の被害を防ぐだけでは、高齢化や後継者不足は解消できない」との声もあり、農業委員が中心となって集落営農の組織化をすすめることとなった。
 平成18年度には、村内の菅野地区に、平成22年度には神末地区にそれぞれ集落営農組合が組織され、地元農業委員が立ち上げに向けた中心的な役割を担ってきた。
 神末地区に組織された集落営農組合「アグリみつえ」では、地区内耕作放棄地の発生防止に向け、利用権設定により農地集積を推進している。水稲作付けとともにWCS用稲(稲発酵粗飼料)を作付けし、米の生産調整にも大きく貢献している。
 菊山会長は「今後も他の地区で集落営農の組織化をすすめるとともに、既存の集落営農組合を法人化することで、担い手の確保も目指していきたい」と村農業の将来を見据える。

平成25年4月26日 全国農業新聞掲載