遊休農地解消活動支援事業

農地は農地としての利用が求められています

 農地法第2条の2では、「農地の権利を有するものは、その適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければならない」と規定されています。
 そもそも農地は、限りあるかけがえのない地域の貴重な資源です。しかしながら、県下の農地の3,633ヘクタール(※2015農業センサス)が何らかの理由で耕作放棄されています。
 一度荒れてしまった農地は、もとの耕作できる状態に戻すまでに大変な手間と労力がかかってしまいます。わが国の食糧自給率を今後さらに高めるため、また、県下の貴重な資源を維持していくためにも農地を有効に利用しなければなりません。

「遊休農地解消活動支援助成金」で市町村農業委員会の活動を支援

 奈良県農業会議は、農業委員会における新たな遊休農地解消活動を支援するため、活動に要した経費の一部を支払う取り組みを行っています。
 遊休農地解消活動を実践する農業委員会数を増やすほか、広く農業委員会活動の啓発を目的に活動しています。

事業の目的

 奈良県農業会議は、農業委員会における新たな遊休農地解消活動を支援するため、活動に要した経費の一部を支払うこととします。
 活動に取り組む農業委員会数を増やすことと、取組事例をホームページなどで紹介し、広く農業委員会活動の啓発を目的に活動します。

事業の内容

 農業委員会において、計画的にかつ継続性を持って取り組む新たな遊休農地解消活動に対する経費補助です。

農業委員会の取り組み

平成31年・令和元年度

市町村名 取り組み内容
五條市 市農業委員会と五條市役所みどり園が協力して河川氾濫等の被害を受けた農地にひまわりを植栽し、遊休農地解消のためのモデル園として活用し、農地活用に向けた市民へのアピールにつなげたた。
御所市 市農業委員会が遊休農地を解消し、景観作物としてコスモス・レンゲを作付け、遊休農地解消の啓発を行った。解消した農地は、担い手への農地集積につなげている。
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平成30年度

市町村名取り組み内容
奈良市市農業委員会が解消した遊休農地で大根・餅米を栽培し、農業関連イベントでの提供・配布活動により、遊休農地解消のPRを行った。 近隣で長年遊休化していた農地が草刈りされるなど、地域住民の遊休農地解消に向けた意識が高まり、農地の有効活用への取り組みにつながった。
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平成28年度

市町村名取り組み内容
黒滝村黒滝村農業委員会が遊休農地を活用して栽培した「サツマイモ」及び「大根」で地元の子供たちを対象に、収穫体験を開催した。収穫体験を通して、食の大切 さやありがたさ、栽培・収穫の楽しみを伝えることによって、地元子供達への食育の場を提供・推進を行った。また、村の伝統野菜「黒滝白キュウリ」の栽培普及にも力を入れている。
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平成27年度

市町村名取り組み内容
奈良市農業委員による解消活動に取り組むとともに、農業委員会が推奨する「まこもたけ」の作付モデル展示圃を実施した。収穫した「まこもたけ」は、「収穫感謝祭」等市民に対するイベントにて配布するなどPRに努め、農地の有効利用を進めるため、特産品・転換作物として啓発した。
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生駒市解消した遊休農地に葉ボタンを作付けし、看板設置やイベントで遊休農地解消への啓発を行った。また、別の遊休化していた農地に作付けたサツマイモを活用して婚活イベントを開催し、若者に農業への関心を持ってもらい、市内での就農・居住をアピールした。
山添村解消した遊休農地に「みょうが」「大豆」「サツマイモ」を作付けしモデル展示圃を実施した。村内の保育園児とともに協働し、サツマイモは植え付けから収穫までの農業体験。大豆はみそ作りに取り組み、農業や自然の大切さと食への関心を深めてもらった。
三郷町農業委員会が主体となり、教育委員会と連携しながら教育ファーム事業としてタマネギの作付けに取り組んだ。町内の小学4年生児童約200人を対象に、「定植」と「収穫」の農作業を体験させ、収穫物は学校給食に利用した。子供たちに自然の恩恵や食への理解を深める取り組みを行った。

平成26年度

市町村名取り組み内容
王寺町農業委員による解消活動に取り組むとともに、有効活用に向け受け手農家への集積につなげる。今年度は幼稚園や小学校と協働して体験農園として活用し、学童へ農業の「大切さ」や「楽しさ」を伝える活動に取り組んだ。
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天川村解消した遊休農地に、天川村農業委員会が推奨する「どろがわいも」の試験栽培を実践した。試験結果に基づき、増加傾向にある遊休農地への推奨作物作付け拡大を推進し、遊休農地解消につなげる。
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平成25年度

市町村名取り組み内容
大和高田市農業委員による解消活動を行い、保育所の食育教育として園児とサツマイモを作付け・収穫までの体験農園として活用した。また解消農地には、里芋や黒豆、大豆なども栽培し、収穫した野菜を市内養護施設などに配布したほか、イベント会場にPRブースを設け、遊休農地発生防止を呼びかけるとともに収穫作物を無料配布した。 解消した農地は、市内の農業者に貸し付け、大和高田市が推奨する大和野菜を栽培する農地として使用する。
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生駒市解消した遊休農地で、生駒市農業委員会が付加価値の高い戦略作物と考える「メロン」「マクワウリ」の試験栽培を行った。ほ場での看板設置や市農業祭においてパンフレットを配布するなど、活動をアピールし遊休農地解消に向けた啓発を行っている。
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香芝市奈良県奨励米である「ひのひかり」を使った酒造りを市内酒造会社の協力を得て実施するにあたり、原材料の作付けを行った。今後、市内遊休農地に原材料確保のための作付け拡大を図り遊休農地解消につなげる。
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平成24年度

市町村名取り組み内容
奈良市農業委員会が設定したモデル圃場に看板を設置し、地域住民へ農地の有効利用を促した。また、農業委員自らが肥培管理を行った同モデル圃場に次世代を担う子供達を招き、農業体験を通じて農業や自然の大切さを学ばせることができた。
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生駒市遊休農地を解消し、農業委員が1年間肥培管理を行い土づくりした圃場を、将来的には市が事業展開する市民農園として非農家に貸し付ける。同圃場には看板を設置し農業者等への啓発を行うとともに、栽培したサツマイモは、地域の子供会や福祉団体等を対象とした収穫体験につなげた。
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香芝市地場産品「かしば香るみそ」の原料となる大豆の作付拡大を推進するため、農業委員会が解消したモデル圃場で大豆を栽培し農業者への啓発を行った。農業祭で農業委員会の取り組みを広くアピールするとともに、収穫した大豆の無料配付を行った。
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三郷町農業委員会が推奨する農作物(蒟蒻芋と黒大豆)のモデル展示圃活動を行い、看板の設置などで農業者への啓発活動を行った。試験結果に基づき、増加傾向にある遊休農地への推奨作物の作付け拡大を図った。
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高取町町民の目にとまりやすい遊休農地を農業委員が解消し、解消モデル展示圃として「トウモロコシ」の作付けを行った。収穫物は農業祭で参加者に配付し啓発を図るとともに、解消後の農地は、地域農業後継者に引き継いだ。
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平成23年度

市町村名取り組み内容
大和郡山市農業委員会が推奨する農作物(酒米:山田錦)のモデル展示圃活動を行い、市内酒造会社と連携して純大和郡山産純米酒づくりを実践した。今後、増加傾向にある遊休農地に酒米の作付けを拡大を促進し、市内遊休農地の解消に取り組んだ。
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宇陀市農振農用地内の遊休農地を解消し、規模拡大を志向する認定農業者への利用集積につなげた。特に受け手は、有機栽培を行う農業者で、市が「有機農業モデルタウン」の活動として推進する有機野菜の産地化への取り組みにも寄与できた。