アグリプログラムで農業を学ぶ(明日香村地域振興公社)

土作りを実践する様子
土作りを実践する様子
農薬の使い方の講義を受ける様子
農薬の使い方の講義を受ける様子

 農業の基本を無料で学べる「アグリプログラム」が、2015年8月30日から12月6日まで明日香村で行われた。同村地域振興公社が企画し、県農業会議なども後援した今回のプログラムには、県内をはじめ京都や大阪などから、幅広い年齢層の10人が参加した。
 プログラムの目的は、農業に興味がある初心者に農業を体験してもらい、就農希望者のイメージと現実の農業とのギャップを埋めてもらうことにある。
 参加者は同公社が中間保有する農地約10アールで、ハクサイやダイコンなど約10種類の野菜を栽培。出荷から販売までの工程も実践し、農薬の使い方や販売方法などについて学ぶ講義も併せて受講した。
 栽培方法を「定植」と「播種」に区分けして、生育状況の違いを実感できるようにしたり、消費者ニーズを学ぶ機会として、収穫した野菜を村内の農産物等販売所「あすか夢の楽市」で実際に販売するなど工夫が施されている。
 参加者は、「毎回驚きと発見の連続でした。農薬の重要性や消費者目線の厳しさなどを体感できたのが良かった」と戸惑いながらも農業への理解を深めていた。
 プログラム卒業生は、引き続き同公社が中間保有する農地で指導を受けながら、野菜を栽培することも可能だ。村内での就農に向け、ほぼ全員が意欲を見せているという。
 同公社の中川貴雄さんは「現場の作業を重ねたことで、参加者の思いをよく知ることができた。近隣農家と交流する機会もあり、担い手を育成する場として有効だと感じた。今後もプログラムを継続していきたい」と意気込む。

平成28年1月22日(全国農業新聞掲載)