農村の活性化を目指し、農林業公社を設立(曽爾村農林業公社)

試験ほ場で説明する同村地域おこし協力隊・農林業公社担当の大西伸幸氏(左)と髙松氏(右)
試験ほ場で説明する同村地域おこし協力隊・農林業公社担当の大西伸幸氏(左)と髙松氏(右)

 「曽爾村の美しい自然環境で栽培された農作物を広くアピールし、村農業の活性化につなげていきたい」と話すのは、6月24日に設立された一般社団法人曽爾村農林業公社・事務局の髙松和弘さん(36)。
 同村には年間約50万人の観光客が曽爾高原などに訪れるが、農家の所得に結びつかず、農家の減少・高齢化が課題となっていた。そこで、課題解決に向けた話し合いを徹底的に行い、農産物をブランド化する戦略などを策定。村や農業委員会・JAなどが参画し、同公社を設立して推進することとなった。
 環境省選定の「平成の名水百選」である曽爾高原湧水などで栽培されたコメを「曽爾米」としてブランド化し、販路開拓などに取り組む。
 平成28年度は、約2ヘクタールの農地で「こしひかり」の食味を向上させる試験栽培を実施。試験ほ場では、日本一美味しいお米を作ると評判の遠藤五一氏の指導のもと、栽培方法を研究。付加価値をつけて高く売れるようにし、村内農家の所得向上につなげることを目指す。
 髙松さんは「公社が先陣を切って、新しい取り組みにチャレンジしていきたい。観光事業と連携するなど、村が一丸となって農業振興に取り組む」と意気込みを語る。

平成28年7月1日(全国農業新聞掲載)