遊休農地を解消し、地域農業の振興につなげる(葛城市農業委員会)

看板で解消活動を伝える
看板で解消活動を伝える
今年の観賞用綿を収穫する様子
今年の観賞用綿を収穫する様子

 葛城市農業委員会(堀川雅由会長)は、農地を適正管理することの理解を深めてもらうため、2007年度から農業委員が自ら遊休農地を再生する活動を実施している。
 この活動は、農業振興活動を農業委員自らが行わなければとの気運が高まり、その一環として、「遊休農地を農業委員会が率先して解消していこう」との農業委員の声から始められたものだ。
 遊休農地の解消モデル事業として取り組みをスタートさせるにあたり、農業委員同士で推進体制のあり方などをとことん話し合ったという。今後の活動計画を策定し、農業委員会が一丸となって取り組むこととなった。
 遊休農地で栽培する作物については、パパイヤなど周囲の目を引き、活動をPRしやすいものを選定するほか、かつて地元で盛んに栽培されていた観賞用の綿や黒豆、里芋などを作付けし、遊休農地の解消作物として推奨している。
 収穫した作物は、市の収穫祭「ゆめフェスタin葛城」で農業委員会のブースを設けて安価で提供・配布し、解消活動を地元住民に広くアピールしている。また、農地に関する相談窓口を開設し、遊休農地の発生防止に取り組んでいる。
 2011年度には、地元農産物の魅力や農業への理解を深めてもらうため、県農業会議、県農業法人協会と共催し、収穫・加工・料理が楽しめる食農体験会を開催した。
 体験会には、親子連れなど多数が参加した。農業委員の指導のもと遊休農地に作付けたモロヘイヤを収穫したほか、㈱農業法人當麻の家で粉末加工して、モロヘイヤ粉末を練り込む手打ちうどん作り体験を行った。
 参加者からは「『農業』を知る良いきっかけになりました」、「農業者の苦労や食べ物のありがたさが分かりました」などの声が寄せられた。
 堀川会長は「優良農地を守っていくためには、一般消費者や地元住民の理解が不可欠です。遊休農地解消の手本となるよう積極的に委員会活動を展開して、地域農業の活性化につなげていきたい。」と抱負を語る。

2011年度の食農体験の様子

平成28年11月18日(全国農業新聞掲載)