独自の仕組みで適正な農地利用~村農地バンクや非農地判断を推進~(山添村農業委員会)

山添村農地バンクの取り組みで、再生した3000平方メートルの農地

 山添村農業委員会(福山博一会長)では、農地の有効活用のため、村独自の農地バンク制度を立ち上げ、遊休農地解消に結びつけている。再生利用が困難な農地に対しては、積極的な非農地判断を行い、適正な農地利用を進める。

村外企業などへ貸借が活発化

 中山間地域に位置する山添村では、農業従事者の高齢化で離農が進み、遊休農地が増加している。同村農業委員会は課題解決を図るため、2023年から村独自の「山添村農地バンク」事業を立ち上げ、新たな担い手確保と遊休農地の発生防止と解消に向けた取り組みに力を入れる。
 農地パトロールで発見した遊休農地の所有者に対して、農業委員・農地利用最適化推進委員が戸別訪問し意向を把握。情報とともに、地番や賃借料などの農地情報を同村農地バンクに登録し、ホームページで公開している。
 借り受け希望があれば、営農条件を確認するためまずは農業委員会で面談を行い、条件に合った候補農地を選定。その後、担当地区の農業委員・推進委員が現地案内から所有者・借り受け希望者の立ち合いまでの調整を行う。
 両者の条件が一致すると、中間管理機構を通して貸借契約を締結。これまでに70筆(7.4ヘクタール)の遊休農地が解消された。借り受け希望者は村外の企業を中心とした新規参入者が多く、新たな担い手の確保につながっている。
 地元に精通している農業委員・推進委員からの説明や丁寧な調整活動が功を奏し、農地のマッチング率向上につながっているという。

地域で守るべき農地を特定

 同村農業委員会は、山林化している農地に対して、これまで161ヘクタールを非農地判断している。
 利用状況調査時に、県が作成した「非農地判断マニュアル」の判断基準に沿って、再生利用が困難な農地を特定。その後の農業委員会総会で非農地判断を行っている。
 また、法務局の職権登記制度を活用して、地目変更の申し出を行うため、農業委員会事務局が所有者への通知や同意書の取得を農業委員・推進委員に依頼。委員が積極的に関わることで手続きが円滑に進んでいるという。
 同村農業委員会事務局は「地域で守るべき農地を特定することで、日々行う農地パトロールの省力化にもつながっている」と話す。

農地パトロールなどで非農地判断を行う筆を判別

(全国農業新聞 令和8年9月18日号掲載)