橿原市農業委員会(上田逸朗会長)は、このほど、橿原神宮で開催した第50回橿原市農業祭で、お米で作った「米食パン」を先着600人に無料で配布した。午前10時30分から振る舞われたパンは2時間で600個すべての配布が終了し、にぎわいをみせた。
米食パンといえば米粉を使ったイメージだが、今回作られたのは、市内で収穫した「ヒノヒカリ」を同市内のパン販売店が炊飯し、主原料として混ぜ込み、加工・商品化したもの。
米食パンを試食した人の中には「国宝級の味」と絶賛する声もあり、評価はかなり良かったという。
協力した市内のパン販売店では、実際に商品として販売しており、今後も継続して販売する予定だ。
同市農業委員会は、一般の人に、遊休農地解消活動を知ってもらうために、米を使った加工品で、何かできないかと知恵を絞って考えた。耕作放棄された農地を利活用し、地域で作られた主食用の米をパンとして食べることによって、地産地消をめざしている。
上田会長は「地産地消をめざす中で、地域の皆さんに地元の米の良さをもっと知っていただきたい。米食パンが広まることで、米の作付けが増えて遊休農地解消活動につながれば」と語る。
(全国農業新聞 令和5年1月20日号掲載)