天理市農業委員会(松井義憲会長)では4月11日、障がいがある社会福祉施設の人を支援するため、遊休農地の解消活動を行った。
天理市南六条町の社会福祉施設「ぽかぽか工房」(堀内誠理事長)は、地域の方々に障がい福祉への理解を深めてもらおうと酒造好適米の山田錦の栽培を始めた。栽培した酒米は、地元酒造の協力により醸造。市内の店舗で販売している。
施設では、今春から酒米の作付け規模拡大を目指して、地元の遊休農地を借り受けることとなった。ところが、遊休農地の解消は、施設職員だけの手作業では困難だったため、農業委員会事務局に耕起作業などの支援を相談。地区担当の農業委員と農地利用最適化推進委員などの協力を得られることとなった。
作業当日は、朝から晴れわたり、農業委員らの操る農機具や大型草刈機などにより、荒れていた農地が瞬く間に美しくよみがえった。共に作業した福祉施設の人からは喜びの声があがった。
松井会長は、「遊休農地の解消は農業委員会の大きな務め。解消をお手伝いすることで、地域福祉にも役立てば、これほど幸いなことはない」と語る。
(全国農業新聞 令和4年5月20日号掲載)